WTR-M2133HPレビューの概要(ポイント)
BUFFALO初のメッシュWi-Fi
WTR-M2133HPは、BUFFALO初のメッシュWi-Fi。メッシュWi-Fiを搭載しただけでなく、「インテリアに調和するデザイン」を前提としたモデルです。
指向性アンテナを搭載したり、周波数切り替えによって速度調整が可能で、実際に検証したところ、40Hz利用で速度改善ができました。
ただ、デメリットで書いているように2.4GHzと5GHzの切り替えが自動で起こる関係で安定性に難があります。
WTR-M2133HP 実機レビュー目次
忙しい方はまず特徴をご覧ください。購入検討している人はキャンペーンを必ずお読みください。
WTR-M2133HPの特徴
インテリアに調和したデザインのWi-Fi
BUFFALOはこれまで黒を基本としたWi-Fiルーターを発売してきました。これは、BUFFALOにかかわらず国内メーカーはどこも同じです。
そこからコンセプトを変え、インテリアにマッチすることを前提としたモデルを出してきました。本体が白なだけでなく、ACアダプタも白なのでインテリアの邪魔をしないデザインになっています。
メッシュWi-Fiでは珍しい指向性アンテナ
WTR-M2133HPでは、他のメッシュWi-Fiとは異なり、親機に非常に珍しい指向性アンテナを搭載しています。
指向性アンテナは5GHz帯に対応しているため、「同じ部屋内で距離が遠い」場合に特に力を発揮する機能と言っていいでしょう。
WTR-M2133HPのスペック
今回レビューしたWTR-M2133HPのスペックは以下の通りです。
マシンスペック(抜粋)
発売年度 | 2018年8月3日 |
メーカー | BUFFALO |
最大受信速度 | 866Mbps(5GHz) 400Mbps(2.4GHz) |
最大送信速度 | 記載なし |
メッシュWi-Fi | 〇 |
ビームフォーミング | 〇 |
質量 | 970g |
サイズ | 231×231×70mm |
ディスプレイ | なし |
対応規格 | a/b/g/n/ac |
最大接続台数 | 64台 |
アンテナ | 5GHz:4本 2.4GHz:2本 |
LANポート数 | 3本(親機) 1本(子機) |
IPV6 | 〇 |
推奨環境 | 単体:2LDK(60m2) 中継器1機:3LDK(90m2) 中継器2機:4LDK(120m2) |
※さらに詳細の仕様書は公式サイトをご覧ください。
スペックの解説
値段は高いですが、現在発売されている無線LANルーターの中では性能面で見るとさほど高くありません。最大のダウンロード速度が866Mbpsとなっており、例えば同じ値段帯で展開されているTP-LINKのArcher C5400では、最大速度2167Mbpsとなっています。
また、他にも同じ値段帯で使うなら、NECのWG-2600HP3がありますが、こちらも1733Mbpsの4ストリームで非常に性能が良くなっています。スペック面で見るよりも、デザイン面であったり、メッシュWi-Fiといった特徴の方が際立ったモデルと言えるでしょう。
WTR-M2133HPの外観
部屋においても、違和感のないデザインであることを前提として作られています。今回購入したものは、ホワイトですがピカピカの白色ではなく、マット調の質感なので高級感があります。
背面も白基調でID系の情報の文字も小さく主張が少ないですね。
これは、親機もそうですし、中継器もそう。どちらも質感が整っているため、部屋においても違和感がないデザインになっています。
特に嬉しいポイントが、コンセントの類、無線LANがともにすべて白色になっていること。
しかもLANはフラットケーブルなので取り回しが良いメリットもあります。
日本の製品は黒色になっていることが多く、デザイン的にイマイチなものがほとんどでしたが、コネクタを改善してくれるだけでもだいぶ違いますね。
付属のコネクタの品番を確認しましたが、カテゴリーの記載はありませんでした。
後で書いていますが、100Mbs以上の速度が出ていることを確認しているので、カテゴリー5e以上のケーブルであることは間違いないでしょう。
もう一つ面白いのは、ライト類が完全に白色で統一されていること。
家電製品と言えば、ライトは緑色というイメージがありますが、このWTR-M2133HPは柔らかい色の白で統一されています。
親機や中継器は設定中などはオレンジになったり、青になったりしますが、完了すると、白色となり、部屋の装飾を邪魔しないライティングとなります。
WTR-M2133HPの通信環境テスト
親機とスマートフォン(パソコン)の接続方法
まず親機との接続方法を解説します。背面のインターネットケーブルにモデムからの線を差し込みます。
さらにACアダプタを設定後、本体電源をONにすると、無線LAN側の設定が自動で完了します。まず設定から無線を選びます。
このWTR-M2133HPの場合は、SSIDが2.4GHzと5GHzがすべてまとまっています。そのため、E220という形で全て統一されているため、こちらを選びます。
パスワードの入力画面になれば、背面の設定パスワード入力画面の暗号化キーを入力していきます。
これだけで設定は終わりです。親機の設定は電源を入れるだけに近いので、とても簡単ですね。
「Connectアプリ」を使って子機の設定
親機と子機がセットになったタイプは既に設定されているようですが、私が購入したものは別々で買ったので、設定ができていませんでした。
設定はアプリから行います。まず「Connectアプリ」をダウンロード。
次に、本体背面の情報をもとにパスワードを入力(本機ログイン用のデータを使います)。
そして、左のメニューバーから中継器の追加を行っていきます。
私は中継器を別途購入したので、上を選びました。
次に設置場所を決めます。
そして設置可否の判定を決めます。
このスピードメーターのような画面では、電波強度を見ることができます。
これに応じて、電波強度を測定し、中継器を置く場所を決めることができます。そして、コンセントを設置。
中継器の点灯が始まれば、AOSSボタンを押して設定を行います。
そして設定が完了すれば終了です。最終的に接続が完了すればこのような形になります。
子機の設定はややこしそうに感じるかもしれませんが、実際のところBuffaloの「Connectアプリ」がかなり優秀なので、面倒さはほとんどありません。
中継器の設定は初めてやりましたが、説明書を読まなくてもできました。
指向性アンテナを設定せずに測定
WTR-M2133HPは3チャンネルあるうちの5GHz帯の向きを調整することができます。まずは指向性なし状態で測定を行いました。
結果は以下のようになりました。
測定場所 | ルーター前 | 1F最長距離 | 2F最長距離 |
ダウンロード | 88.4 Mbps | 74.3 Mbps | 66.7 Mbps |
アップロード | 103.0 Mbps | 99.8 Mbps | 83.3 Mbps |
光インターネットの会社が提供している無線LANの方がルーター前、1F最長距離では速度が出ていますが、2Fになると速度は大きく落ちる結果となりました。
指向性アンテナを最長距離の部屋に向けて測定
次にアンテナの向きを変更し、2Fの最長距離の方角へ向け速度測定した結果が以下の通りです。結果は以下の表のようになりました。
測定場所 | ルーター前 | 1F最長距離 | 2F最長距離 |
ダウンロード | 91.9 Mbps | 86.7 Mbps | 59.2 Mbps |
アップロード | 105.0 Mbps | 90.1 Mbps | 83.4 Mbps |
表を見てみると、実は指向性を付けていないときと、測定結果は大差ありませんでした。
2.4GHz帯のアンテナを20MHz→40MHzに変更
WTR-M2133HPには、2.4GHzのアンテナが2本あります。この2本を組み合わせて40MHzに変更することで、スピードアップすることができます。
この変更をしたのちに測定した結果が以下の通りです。
測定場所 | ルーター前 | 1F最長距離 | 2F最長距離 |
ダウンロード | 232 Mbps | 165 Mbps | 47.0 Mbps |
アップロード | 336 Mbps | 269 Mbps | 44.5 Mbps |
40MHzに変更した効果は絶大で、速度が2倍以上になりました。ダウンロードだけでなく、アップロード側はさらに高速化されています。
子機ありで最も遠い部屋に設置(40Hz)
最後に、最長距離である2Fのルーターから最も遠い部屋に子機を置いて測定を行った結果がこちらです。
測定場所 | ルーター前 | 1F最長距離 | 2F最長距離 |
ダウンロード | ー | ー | 85.8 Mbps |
アップロード | ー | ー | 99.1 Mbps |
測定は40MHz状態で行っていますが、一つ前の表と比べてみると明らかに速度向上が見られます。
もともとの速度が速いので体感的には効果薄ですが、数値が改善しているため、動画や大きなファイル容量のものを転送する場合に効果を発揮するでしょう。
WTR-M2133HPのメリット・長所
速度を落とさずに電波領域を広げられるのは良い
メッシュWi-Fiの最大の魅力ですが、やはりそれぞれが接続することで電波を広げられることは大きなメリットです。
BUFFALOのWTR-M2133HPの場合は、Google Wi-Fiなどと異なり、メインの親機が大きく電波が強いメリットがあります。そのため、通常のメッシュWi-Fiよりも子機を少なくできます。
白を基調として家の中に合うデザイン
無線LANはこれまでどれも、黒でいかにも「無線LAN」といったデザインが中心でした。ところが、このWTR-M2133HPの場合は白を基調としているため、家の中にマッチするデザインになっています。
また外観だけでなく、電源ケーブルも白色になっているため、見た目にもスッキリとした印象を与えてくれる端末になっていますね。
子機から直接有線接続可能
中継器である子機には、有線LANの接続ポートがあります。
そのため、遠い部屋に置き、直接有線接続でデスクトップやPCに繋ぐことで効率的に転送速度を上げることができます。
書斎がルーターの置き場所から離れている人で、かつパソコンの利用頻度が高い人は少しでもインターネット速度を上げる対策ができるでしょう。
WTR-M2133HPのデメリット・欠点
最大速度は5GHzで866Mbps
最大のデメリットは5GHzで最大速度が866Mbpsしかないことです。ゲーム機器をはじめ、スマホ、パソコンとスピードが速ければそれに越したことはありません。
値段が安ければこの速度でも我慢できるのですが、WTR-M2133HPはかなり高いので866Mbpsしか出ないのはデメリットをより感じます。
2.4GHzと5GHzが一括になっていて変更不可
これが、WTR-M2133HPを購入する場合に一番気を付けて欲しいポイントかもしれません。通常、無線LANは2.4GHz、5GHzを選ぶことができます。それぞれを簡単に説明する以下の通り。
各電波の違い
- 2.4GHz:遠くまで届き、遮蔽物にも強いが速度は遅い。また電子レンジなどの電磁波と干渉して速度がガタ落ちすることがある。
- 5GHz:速度が強いが、室内限定でしか使えない。電子レンジなどの電磁波との干渉にも強い
WTR-M2133HPの場合は、2.4GHzと5GHzの電波帯を選ぶことができません(正確には、電波の良いほうに自動的に繋ぐ仕組み)。
そのため2つの問題があります。
2つの問題
- 電波を切り替えるタイミングで、電波が切り替わって切断
- 2.4GHzメインだと電波干渉で落ちてしまう
特に1の電波が切り替わる挙動は、使った初日から感じることができました。切り替えのタイミングでネット接続が切れてしまいます。
便利なようですが、2.4GHzと5GHzは本来用途によって分けるべきもの。高級無線LANである、WTR-M2133HPで帯域が分かれていないのは、あまりにも残念です。
みんなの口コミ
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電波切れがひどい。Wifiが長時間切れっぱなしになることも頻繁なので問題。
白を基調としたデザインはおしゃれできれい。リビングに置く人はおすすめ。
しかし肝心な無線LAN機能に難ありで、距離が離れている場合に2.4GHzと5GHzの切り替えがうまくいかず安定しない問題がある。
特に家の中で壁をいくつも挟み、長距離になるほど問題が発生している気がする。
WTR-M2133HPがおすすめな人
インテリアを気にする人
この無線LANのメリットはモデルコンセプトのようにインテリアに調和することです。
インテリア重視で「見せても良い」パターンの人にはおすすめです。
WTR-M2133HPをおすすめできない人
無線LANの主張が強いのが嫌いな人
このWTR-M2133HPは、親機のサイズが大きくなっています。メッシュWi-Fiは親機も子機も同サイズであることが多いことを考えれば非常に珍しい。
メッシュWi-Fi、それぞれの機器を共同利用することで電波範囲を広げられる仕組みのため、親機も小さくすることがメリットですが、WTR-2133HPはそうなっていません。
常時ネット接続する人
ゲームをはじめ、ネットにつながった状態を維持したい人にはあまり向いていないように感じます。理由はデメリットで書いたように、2.4GHzと5GHzの無線が混同していることで切り替わり時にネットが切断されるから。
そもそも、ゲーミングをすること前提であればメッシュWi-Fiよりも有線接続を検討するかゲーミングルーターにする方が良いでしょう。
WTR-M2133HPの実機レビューまとめ
実力不足なWi-Fiルーター
結論
BUFFALO初のメッシュWi-Fiですが、使ってみて欠点の方が多く目立ちました。
特に2.4GHzと5GHzが自動設定のため、切り替えがうまくいかないのは致命的な問題だと考えます。
メッシュWi-Fiにすることが前提であれば、VELOPやGoogle Wi-Fiの方が良いでしょう。