【スマホは電磁誘導式】ワイヤレス充電(qi:チー)の仕組み・原理や種類をていねいに解説 | スマホ百科

【スマホは電磁誘導式】ワイヤレス充電(qi:チー)の仕組み・原理や種類をていねいに解説

スマホの仕組み・原理

iPhoneやGalaxyをはじめ、最近は置くだけ充電のQi(チー)が標準搭載されるようになりました。

機種によっては、スマホとスマホの背面を合わせるだけで充電可能な「リバース充電」ができる機種もあります(例:Mate20Pro)。

この記事では、そのワイヤレス充電について、仕組みの面から初心者向けに解説していくとともに、車でも利用が検討されており他のワイヤレス方式である「共鳴充電」や、実験段階のワイヤレス充電についても解説していきます。

一般的なスマホの充電器は「電磁誘導式」

この中でも、電解結合式は3つに分かれます。

  • 電磁誘導式
  • 磁界共振式
  • 環状ソレノイド式

 

この中でもスマホやアクセサリーの充電使われるものは、電磁誘導式が主流になっています。

スマートフォンのワイヤレス給電としては、コイルとコイルを接触させることによる電磁誘導方式が最も主流です。

仕組みは、意外とシンプルで、給電側のコイルにより、磁束を発生させ、その磁界の中にもう一つの給電側のコイルを設置することで電気を発生、充電する仕組みです。

 

そのため、スマートフォンを分解すると、中にコイルが入っています。iFixitによるiPhoneX分解解説を見てみると、コイルが内蔵されていることがわかりますね。

余談ですが、おそらくこのコイルが無くなるとスマホはもっと軽量化できるはず。機能としては使わないので、軽量化に舵を切ってほしかったですね。

 

電磁誘導方式が搭載された国際規格「qi(チー)」

電磁誘導式の充電方式はiPhone、androidを問わずWPC(ワイヤレスパワーコンソーシアム)が規格を決めています。

名前は「qi(チー)」。中国の「気」が由来です。

 

この企画が決まっているおかげで、家族の中でiPhone、androidで分かれていても、同じqiを使って、充電ができるようになります。

 

共鳴による周波数を利用したワイヤレス充電

ワイヤレス給電の中でも、技術的には共鳴充電というものもあります。

こちらは給電側が一定の周波数を出し、受電側がその周波数を受けることによって、振動により電気に変えるという仕組みです。

 

実際に、MIT(マサチューセッツ工科大学)の論文が2007年にScience Expressに掲載されています。

上の参考論文は英語なので、日本語版のXTECHの記事が日本語訳され、わかりやすくなっています。

一番のポイントは、磁誘導式の充電方式と比べて、共鳴充電方式は長距離でもエネルギー効率を保てること。

MITが報告した論文によると、1mで90%、2mで40%のエネルギー効率を確保することができるそうです。

電磁誘導式は、数cm(数mm)変わっただけで送電効率が変わるため、共鳴充電がいかに距離に対して有利に働くかがわかります(漏れキャパシタが増大するから)。

スマホは面に対して、ぴったり設置できるからいいけど、車はできないよね?電気自動車の充電には、共鳴充電が一つの方法として挙がっているんだ(参考:TDKの記事)。

さらに共鳴充電の良いポイントが、周波数で充電するため、複数をまとめてできること。

電磁誘導の場合は、それぞれの充電対象に向かってコイルを移動する必要がでてきます。

場所全体が充電対象になるのは、モバイル機器の多い現代においてはとても便利な選択肢ですね。

ただ、こちらは電磁誘導式のワイヤレス給電に比べると、まだ普及はしてないからこれからだね。コストの問題もあるけど、車のワイヤレス給電がこれになれば一気にコストダウンするかも。

 

共鳴充電が利用できる「Pi」もある

まだ一般的に発売されていませんが(2019年1月時点)、共鳴充電を利用したワイヤレスチャージのPiがあります。

 

まだ製品化はされていませんが、Qiと異なり近くに置くだけで充電できるため、使いながらチャージできるメリットがあります。

製品イメージはホームページで見れます。近未来感が溢れてますね。

参考 Pi(海外サイト)

 

スマホやタブレットで実用化、検証されているワイヤレス給電の種類について

ワイヤレス充電方式には、他にもいくつか種類あります。

実用化されているもの、実験段階のものも合わせていくつか紹介していきます。

 

電界結合式ワイヤレス給電(実用化済み)

電磁誘導では磁束を発生させ充電していましたが、電解結合式では「静電誘導」を利用して、電力を送電しています。

日本では村田製作所が量産品として使っており、すでにiPad2のアクセサリに使われているそうです。

参考 村田製作所の電解結合方式ワイヤレス電力伝送システム

 

レーザー式ワイヤレス給電(実験段階)

2018年に発表された記事で、ワシントン大学で「レーザー」を使って充電する仕組みが発表されました。

WIREDの記事では、レーザーで充電する近未来感あふれる写真が載っているよ。

参考 WIREDの記事

 

これは近赤外線レーザーを用いるもので、ワイヤレス充電器もプレートの上に置かなくてはならない、という問題を解決するために作ったもの。

レーザーを用いることで部屋の中のどこでも、使えるようにするということがコンセプトになっています。

 

他の充電方式(エバネセント式、マイクロ波式)

他にも、ワイヤレス給電にはマイクロ波式とエバネセント波式があります。

マイクロ波式は、その名前の通り、無線を使って充電する方式。

ワイヤレス給電では有名なニコラ・テスラが1901年に実験していますが、実際に成功したのは、1964年のWilliam Brownです。

エバネセント波式は少し難しいので、参考試料のPDFを見てみてください。こちらではマイクロ波式も合わせて解説されています。

 

ワイヤレス充電を語るなら忘れてはいけない二コラ・テスラの「世界システム」

技術的な話からはそれますが、ワイヤレスで忘れてはいけない存在が「ニコラ・テスラ」です。

あの磁束の単位「テスラ」のもとになった人物ですね(参考:wikipedia)。

二コラ・テスラはワイヤレス送電の研究を行い、地球自体をエネルギー媒介にする「世界システム」。

世界システムの内容については、この記事では触れませんが、ITmediaのニコラ・テスラの解説が面白いので、ぜひ見てみてください。

テスラが有名なことや「世界システム」という名前の奇抜さからスマホゲーム「コンパス」や、漫画「リインカーネーションの花弁」などで、同名のキャラクターが登場するんだよね。凄い研究者だったからこそ、モチーフになりやすい人物だともいえるかも。才能がずば抜けていたこともあって、マッドサイエンティストと呼ばれてたこともあるみたい。

 

ワイヤレス充電に関するまとめ

最後はワイヤレス給電から、ニコラ・テスラの話に飛んでしまいましたが、給電の仕組み含めて、色々な種類があり、技術的にもかなり面白いワイヤレスの世界。

iPhoneXをはじめ、無線充電も出てきてはいますが、一般普及には至っていないので、まだまだ変わる可能性があります。

ワイヤレス給電自体はとても便利なので、これから技術的にも進歩してほしいところですね。

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