Xiaomi(シャオミ)とは?由来やシェアについてやさしく解説します

今や世界中で驚くほど勢いを伸ばし続けている中国のスマートフォンメーカーですが、そのパイオニアとも言える存在が「Xiaomi(シャオミ)」。

設立からわずか数年で世界シェアトップクラスに食い込んだ実力で、現在も世界シェア第4位の座についています。

そんなXiaomiが、近く日本市場に本格参入する兆しが見えてきました。

楠リカ
そこで、ここではXiaomiとはどんな企業なのかについて、そして各国におけるシェアについても詳しく解説していきます。

 

Xiaomi(シャオミ)とは?

Xiaomi(シャオミ)は、2010年4月に中国でスマートフォンメーカーとして設立された企業です。設立からわずか数年で、サムスン・Apple・Huaweiなどを抑えて中国国内でのスマホシェアトップの座に(日経XTECH記事)。

Xiaomiと言えば「中国のApple」と称されることが度々ありますが、これはAppleの戦略を徹底的に模倣することで、トップ企業に上り詰めたためです。

一時期は新興する中国スマホメーカーたちの勢いに押され、中国国内でのシェアを大きく下げましたが、その後インドやヨーロッパ等新たなスマホ市場への進出により、現在では世界シェア第4位にまで浮上

さらにスマートフォンのみならず、スマホと連動したスマート家電の製造・販売にも進出しており、総合家電メーカーとしても勢いを伸ばしています。

楠リカ
Xiaomiの漢字表記は「小米科技」。「小米」とは粟などの雑穀を意味しているよ。Mobile Internetの頭文字「MI」と「米」の発音が同じであることから名付けられたんだ。名前のせいで農業関連の企業に間違われたという噂もあるらしいね。

 

Xiaomiの事業ラインナップはスマホだけでなく、ウェアラブルやPCも

Xiaomiはスマホメーカーとして設立された企業であるため、やはり事業のメインはスマホ。しかし現在ではスマホのみならず、総合家電メーカーとして様々な事業を展開しています。

通信機器事業

  • スマートフォン
  • スマートフォンアクセサリー
  • ウェアラブル端末
  • タブレット
  • ノートパソコン

 

スマートフォンやその周辺アクセサリーを中心として、ウェアラブル端末やタブレットまで幅広く展開。

特にウェアラブル端末は世界中で高いシェアを占めており、通信機器事業の柱とも言える存在です。

スマート家電事業

  • 空気清浄機
  • 炊飯器
  • 照明機器
  • テレビ

 

また、スマホと関連付けた「スマート家電」も展開しており、家電メーカーとしても本格的な事業を行っています。

こちらもやはりXiaomiの柱となる事業の一つ。

インターネットサービス事業

  • ゲームアプリ
  • 動画、音楽の配信サービス

 

さらにインターネットサービス事業でも全利益の多くの利益を上げることに成功しており、スマホを中心とした事業展開から、様々な方面に事業を展開しているのがXiaomiの特徴です。

 

スマートフォン出荷量・世界シェア第4位

かつては中国トップクラスのシェアを誇っていたXiaomiですが、HuaweiやOPPOなど他メーカーの台頭により、伸び悩む時期が続いていました。

しかし2018年、それまでの事業戦略を大きく変更したことや、世界各国での参入成功により、世界シェアは9.3%とサムスン・Apple・Huaweiに続く第4位にまで復活しました(IDCの記事)。

この時点で、第3位となっているAppleと比べても、わずか3%以下差しかありません。そしてさらに注目すべきは前年比。ランキング5位以内の各社のうち、前年比は48.8%と群を抜いています。

スマホ市場そのものがマイナスに落ち込み、さらにサムスン・Appleが伸び悩む中、Xiaomiの大躍進には驚かされますね。

 

ヨーロッパでも第4位と好調な滑り出し

Xiaomiは2017年のスペイン市場進出を皮切りに、2018年にはイギリス・フランスとヨーロッパ各国への参入を進めてきました。Canalysの調査によると、2018年のヨーロッパ市場でのシェアは5.3%。

数字だけ見ると少ないかと思われるかもしれませんが、ランキングでは第4位という位置につけています。ヨーロッパ市場ではサムスン・Appleの二大巨塔が根強くはありますが、XiaomiやHuaweiなど中国勢の勢いはまだまだ止まらないでしょう。中国勢が首位争いに食い込むのも、時間の問題です。

 

インド・インドネシアではシェア25%超え

Xiaomiは中国のメーカーなので、中国でのシェアが一番高いというイメージが強い人も多いでしょう。しかしじつは、中国でのXiaomiのシェアは12.9%で第4位中国は今最も熾烈なシェア争いが繰り広げられているスマホ市場なので、これは仕方がありません。

それではどこの国が一番Xiaomiのスマホを使っているのかと言うと…正解はなんとインド。NNAの調査記事では、インドにおけるXiaomiのシェアは28%という驚きの数字に。

2018年第2四半期は第2位の座に甘んじてしまいましたが、2017年には2期連続首位を獲得するなどその勢いは健在で、インドのスマホ市場ではサムスンとXiaomiの二強状態となっています。

また、巨大スマホ市場として注目が集まったインドネシアにおいてもシェア25%を占め、首位のサムスンを猛追。インド・インドネシアでの大躍進が、Xiaomiの世界シェアを底上げしているのは間違いないでしょう。

 

日本では事業展開していない

世界的には高い人気を誇るXiaomiですが、日本では名前すら聞いたことがないという人が多いのはなぜなのでしょうか。それは、いまだ日本国内では事業展開がされていないからです。

近年になり日本向けのモデルも登場しましたが、やはり知名度はまだまだ。本格的に日本上陸するまでは、日本でのシェアが爆発的に上がるということは無いでしょう。

ただXiaomiのスマホは性能が優れており価格も手頃なので、日本に上陸すれば格安スマホ市場において大きなシェアを占めるようになる可能性は高いですね。

 

ウェアラブル端末は世界シェアNo.1

世界のウェアラブル端末の市場シェアを見てみると、Xiaomiは堂々の第1位。特に2018年の伸びは著しく、第2位であるAppleに8%もの差をつけています(IDC)。

一方で、日本国内におけるウェアラブル端末の市場シェアでは、Xiaomiはランク外という結果に。やはり日本ではiPhoneユーザーが大多数を占めているため、ウェアラブル端末を選ぶ際も、当然ながらAppleWatchを選択することになるのが理由でしょう。

 

Xiaomiのスマホの特徴

Xiaomiのスマホの特徴は、圧倒的なコストパフォーマンスの良さにあります。Xiaomiのスマホは、海外メーカー、特に中国メーカーの中でもスペックが高いと評判。

そんなハイスペックな端末でありながら、価格は他社と比べて数万円以上安いという驚きの価格です。以前はハイスペックな機種に絞って販売を行っていましたが、現在ではローエンドからハイエンドまで、幅広いスペックの端末を選べるようになりました。

日本向けモデルはごく最近発売されるようになったばかりですが、今後は本格的な日本参入の可能性も高く(後述)、日本国内でも当たり前のようにXiaomiのスマホを手にできる日も近いでしょう。

 

Xiaomiの事業戦略と日本への進出

販売戦略の大転換

設立当初は、ハイスペック端末を1年にほぼ1機種のみ販売するといった戦略をとっていたXiaomi。少数精鋭の端末に絞ることで大量生産が可能となり、またオンライン販売をメインとして販促費を抑えたことから、ハイスペックながらお手頃価格の端末の販売が可能だったのです。

しかし他の中国メーカーの台頭により、「安いけどある程度のスペックがあるのは当たり前」という時代に突入。

ド派手な広告で知られるOPPOや莫大な研究費を投入したHuaweiなどに遅れを取る形となり、中国シェアトップの座を譲ることとなりました。

そこでXiaomiは、大幅な戦略の転換を実施。ローエンドでさらに価格を抑えた端末を続々導入し、加えて実店舗での販売も開始します。今までとは全く違う方向へ転換した戦略が功を奏し、Xiaomiは「中国トップクラス」そして「世界トップクラス」への復活を果たしたのです。

 

ついに日本市場にも進出か

2017年に日本に正規代理店ができたことで、いよいよ日本市場にXiaomiが参入する!と期待していたものの、実際は周辺アクセサリー類の販売のみにとどまり、肩透かしを食らった人も多いでしょう。

しかし2018年4月には、日本のキャリア、docomo・softbank・auのバンドに完全対応した端末「Mi Mix 2S」を発売。

さらに、2018年11月発売の後続機「Mi Mix 3」はグローバルモデルで、日本語にも対応しています。すでにXiaomiの日本法人だと考えられる「小米日本(シャオミニホン)合同会社」も設立されており、日本市場参入の日も近そうです(国税庁法人番号公表サイトで調べることができます)。

楠リカ
ちなみにすでにシャオミの日本ツイッターアカウントが出来ています。これからが楽しみですね。

 

まとめ

設立からわずか3年ほどで、中国トップシェアを誇るまでに上り詰めたXiaomi。一時的な低迷もあったものの、再びシェアトップクラスに食い込む勢いには、やはり底力を感じます。

現在首位争いを繰り広げるサムスン・Apple・Huaweiの牙城を崩すのも、そう遠くないかもしれませんね。

日本市場への参入も、待ち遠しいです。