QRコード決済とは?コードの仕組みから代表的な決済アプリを紹介

様々なサービスが続々と誕生している電子決済(キャッシュレス決済)。その中でも、近年特にその勢いを伸ばしているのが多くのアプリで利用される「QRコード決済」です。

今までQRコード決済をしたことがないという人でも、これからどんどんQRコード決済を利用する機会は増える可能性があります。

楠リカ
そこで、ここではQRコード決済について、仕組みやメリットなど様々な視点から詳しく見ていきましょう。

 

QRコード:キューアールコード決済とは

QRコード決済とはその名の通り、QRコードを読み取ることで支払いを完了させる決済方法のこと。具体的には、店側が表示するQRコードを客側が読み取る方法と、客側がスマホ等で提示したQRコードを店側が読み取る方法の2つがあります。

キャッシュレスで支払いが可能なので、財布を持ち歩いたり、レジでお金を出したりおつりをもらったり…といった手間を省くことができて、とても便利。決済の記録が残るので、レシートをもらわなくても支出がしっかり管理できるというメリットもあります。

 

QRコードは2次元になったバーコードシステム

QRコードがよくわからないという人でも、「バーコード」は知っていますよね? ほとんどの商品についているシマシマのコードです。この従来のバーコードは、横方向の棒の幅や並び方によって、数字やアルファベットなどを表しています。ですが、横方向の一次元だけでは、表せる情報に限りがある…。そこで誕生したのが、二次元コードとも呼ばれる「QRコード」です。

このように、横方向だけでなく、縦方向にも小さな四角(ドット)を配列することによって、バーコードもよりも更に複雑な情報を格納できるようになったのが、QRコードというわけです。

ちなみにこのQRコードというのは株式会社デンソーウェーブの登録商標です(参考:株式会社デンソーウェーブ公式サイト)。

楠リカ
コードが二次元化することで、数字やアルファベット以外に、漢字や記号までも表すことができるようになったんだ。

 

日本のQRコードの普及率(シェア)について

今やQRコードは、日常生活にいたるところで見かけるようになりましたね。商品やチラシについているキャンペーンや商品情報へのアクセスや、名刺にQRコードを載せている人もよく目にします。

企業では在庫管理や顧客管理に使われることもあり、私達の生活の中に、QRコードは欠かせません。しかしQRコードを使った決済については、現在国内での利用率はわずか6%(別の調査でも9%)。

 

このようにQRコード決済ができることを知っていても、使ったことがない…という人が大半なのです。また、QRコード決済ができるお店も少なく、まだ一部の店舗でしかQRコード決済ができないという点も、認知度の低さの一因となっているのではないでしょうか。

 

QRコード決済の世界事情:普及率トップは中国、その理由とは

現時点で、日本国内でのQRコードをコード決済の認知度は、まだまだ低いです。それでは、世界で最もQRコード決済が普及している国はどこか知っていますか?答えは「中国」。ちょっと意外じゃないですか?

電子決済が進んでいるのは、当然日本やアメリカなどの先進国というイメージがありました。しかし、先ほどの産経BIZの記事でも書かれているように、中国ではQRコード決済を含め、電子決済の普及率が98%以上だとも言われています。

 

店頭やオンラインでの買い物だけではなく、タクシー、自転車レンタル、個人間のやりとりまで、QRコード決済が利用されているんだとか…!中国でこれほどQRコード決済が広まった理由は、偽札の横行など貨幣への信頼度の低さが一端となっています。

その点、日本では貨幣への信頼が高く現金主義がまだまだ根強いので、電子決済の普及に時間がかかるのも納得ですね。

 

QRコードとNFC(近距離無線通信)の違いとそれぞれのメリット

NFCとは「Near Field Communication」の略称で、「近距離無線通信」のことです。簡単に言えば、10cmほどの超近距離のみで可能な通信ということ。

「Apple Pay」や「おサイフケータイ」など、レジで機械にピッとスマホをかざすだけで決済が完了する、あのシステムです。

 

NFCとQRコード決済、どちらもキャッシュレスで簡単に支払いが完了するので、それぞれどう違うのかがわからないという人も多いでしょう。ここでは、QRコード決済とNFCの違いやそれぞれのメリットについて、詳しく紹介します。

楠リカ
ちなみに改札を通る時に使うSuicaやiCocaもNFCになるんだ。

 

QRコード決済は機種に依存しない

QRコード決済は、機種に左右されず利用できるのが、NFCとの大きな違いです。例えばおサイフケータイは機能搭載機種でしか使えませんし、Apple PayはiOS搭載の機種でしか使えません。

 

なので、AndroidからiPhoneに変えた場合はおサイフケータイが使えませんし、iPhoneからAndroidに変えるとApple Payは使えないという仕組みになっています。

その点、QRコード決済はアプリでの利用になるので、コードを読み取るカメラさえついていれば、どんな機種だろうと使うことができるのです。

機種変更をしても、アプリをインストールし直してメールアドレスやパスワードを入力すれば、以前の端末で利用していたデータをそのまま引き継ぐことが可能。

 

QRコード決済は導入が容易

これはユーザー側ではなく店舗側のメリットとなりますが、QRコード決済は、NFC導入よりも手が出しやすいという特徴があります。

読み取り機器など初期費用があまりかからず、さらに決済手数料も一般的なクレジットカードや電子マネーに比べて、低利率に設定しているサービスが多いのです。

楠リカ
読み取る装置はバーコードリーダーで大丈夫なケースもあるから敷居が低いんだよね。

 

大手となるとまた話は別ですが、今まで電子決済の導入に二の足を踏んでいた小規模な店舗でも、容易に導入できるというのは大きなメリット。

今までは現金でしか支払いができなかったようなお店でも、キャッシュレスで決済ができるようになるのは、ユーザー側にもメリットのある話ですね。

 

NFCは決済がスピーディ

決済スピードの速さを比べるなら、QRコード決済よりもNFCのほうが上。QRコード決済の場合、スマホからアプリを立ち上げるまでに時間がかかります。さらに、QRコードの読み取り自体も、読み取り方が悪ければエラーが起きたりして手間取ることも。

その点、NFCならスマホ画面やカードを出して機械にピッとかざすだけなので、一瞬で決済終了です。後ろにたくさん人が並んでいるなど、少しでも早く決済を終わらせたいという場合には、NFCのほうが圧倒的に便利。

 

QRコード決済まとめ

様々な企業が参入し、熾烈な争いを繰り広げているQRコード決済。まだまだ日本では利用者の少ないサービスではありますが、オリンピックや万博に向けて、今後普及が急激に加速していくでしょう。

最終的に日本でQRコード決済が定着するかは、正直不透明ではありますが…(現金主義な上に、他にも便利な決済サービスがあるので)。

楠リカ
QRコード決済を試して見るなら、政府・企業が合わせて普及に力を入れている今のタイミングがチャンスです